2011年1月29日土曜日

「VAIO P」の純正ケースを選ぶ――実用重視からブランドコラボまで

 ソニーの「VAIO P」は、高解像度の8型ワイド液晶ディスプレイと入力しやすいキーボードを薄型軽量ボディに凝縮したミニノートPCだ。Windows 7のフル機能を手軽に携帯でき、外出先での長文入力にも耐える入力環境を備えているとあって、モバイルPCやデジタルガジェットの愛好家を中心に受けている。

【拡大画像や各ケースの紹介画像】

 VAIO Pの大きな特徴は、“ポケットスタイルPC”を標ぼうする横長のボディデザインだ。本体サイズは245(幅)×120(奥行き)×19.8(高さ)ミリ、重量は約595?781グラムで、ノートPCとしてはかなり変則的なスタイルとなっている。

 そこで悩ましいのが、ケース選びだろう。ミニノートPCを持ち歩くのに、ボディを傷や衝撃から守るケースは欠かせないが、VAIO Pの場合は特殊なサイズなので、手持ちのバッグなどでなかなかジャストフィットするものが見つからない。

 VAIO P用のケースはサードパーティ製も含めて、さまざまなものが販売されているが、今回は豊富なバリエーションから選べるソニー純正ケースをチェックしてみた。あまり知られていないかもしれないが、ソニーはノートPC用ケースに最も注力している国内PCメーカーといっても過言ではないほど、VAIO純正ケースをこだわって作っている。

●ボディカラーとのコーディネートも楽しめる純正ケースあれこれ

 VAIO Pの2010年夏モデルは、店頭販売向けの標準仕様モデルとしてオレンジ、ピンク、ホワイトの3色を用意し、直販のVAIOオーナーメードモデルでは限定色のグリーン、ブラックの2色に加えて、ワニ皮調のブラッククロコダイル柄も選択できる。特にオレンジ、ピンク、グリーンといったカラーはビビッドな発色が目を引く。ソニーは、こうしたボディのカラバリと合わせてコーディネートを楽しめる純正ケースを用意している。

?キャリングポーチ「VGP-CPP2」(直販価格:1780円)

 ナイロン/ポリウレタン製のシンプルなキャリングポーチ。ブラック、ピンク、オレンジ、グリーンの4色展開だ。サイズは170(幅)×12(奥行き)×290(高さ)ミリ、重量は約55グラムで、本体にぴったりフィットし、クッション性が高いうえ、軽くてかさばらない。伸びる素材なので、Lバッテリー装着時でもきちんと収納できる。

 ケース側面の開口部にファスナーなどはなく、ボディの出し入れはスピーディに行える。開口部を下にしても本体がずり落ちにくいように、開口部を狭く作っているのは好印象だ。価格もリーズナブルで、幅広いユーザーに向いている。

?アクセサリーキット「VGP-AKP1」(直販価格:4480円)

 シリコン製キャリングケースとハンドストラップのセット。ブラック、ホワイト、ピンク、オレンジ、グリーンの5色が用意されている。ケースのサイズは252(幅)×27.0(奥行き)×131(高さ)ミリ、重量は約173グラムで、ハンドストラップのサイズは29(幅)×9(奥行き)×192.5(高さ)ミリ、重量は約12グラムだ。

 ケースにファスナーなどはなく、上部に大きなスリットが用意されている。開口部が大きいので、ボディの出し入れはスムーズだが、逆さまに持つと脱落しやすい点は注意。Lバッテリー装着時でも収納できるが、ケースの口は少し開いた状態になる。

 ケースは肉厚のシリコンゴムで、さらさらしたソフトな手触り。指紋の付着は目立たないが、ホコリは少々付きやすい。ケースの下部にはパンチング加工が施されていて、VAIO P本体のカラーが円形の小さな穴から覗く。そのため、あえて本体と違う色のケースを選べば、本体のカラーがケースの穴から見えて、カラーコーディネートを楽める。

?キャリングポーチ「VGP-CPP1」(直販価格:980円)

 ナイロン/ポリウレタン製のカジュアルなキャリングポーチ。VAIO Pの前身である「VAIO type P」とともに発売されたオプションで、ACアダプタ収納用のミニポーチが付属しているのが特徴だ。カラーはブラック、ホワイト、レッド、グリーンの4色を用意しているが、ソニースタイルでブラックは販売終了となっている(2010年8月3日現在)。カラーは旧VAIO type Pの落ち着いたボディカラーに合わせたもので、ビビッドな上の2つとは印象がかなり違う。

 キャリングポーチはサイズが145(幅)×35(奥行き)×265(高さ)ミリ、重量が約70グラム、ミニポーチはサイズが235(幅)×35(奥行き)×95(高さ)ミリ、重量が約50グラムとなっており、いずれも軽くて、クッション性があり、かさばらない。各ポーチにはファスナーが付いているため、ボディを密閉して収納できる安心感がある。ファスナーは左右に開くダブルファスナー型なので、ボディの出し入れに面倒はない。

 表面はツヤ感のある滑らかなナイロンで、側面にポリウレタン素材を使用し、小さなシルバーのプレートをあしらうことで、デザインにメリハリを持たせている。本体用のキャリングポーチは、Lバッテリー装着時でも収納可能だ。付属のミニポーチは、ACアダプタにウォールマウントアダプタとディスプレイ/LANアダプタを連結した状態で収納できるのがうれしい。安価なポーチながら各所に工夫が見られ、実用性が高く、コストパフォーマンスは高い。

●ソニースタイル限定「専用コラボレーションケース」

 ソニースタイルは「Pシリーズ専用コラボレーションケース」として、メンズセレクトショップの「District UNITED ARROWS」、ならびにファッションブランドの「Felisi」と「Jas M.B.」が名を連ねた、高級キャリングケースも用意している。

 国内大手セレクトショップのUNITED ARROWSでも特にファッションに関心が高い大人の男性が集うDistrict UNITED ARROWSと、洗練されたデザインや機能性の高いバッグに定評があるFelisi、レザーの風合いと独自の加工を生かしたバッグが支持されているJas M.B.といった強力な布陣によるコラボケースは、違いが分かる大人のユーザーにこそ使ってほしい。

?FelisiコラボPCケース「CC-FLS/P/C」(直販価格:1万5000円)

 District UNITED ARROWSとイタリアのブランドであるFelisiが手がけたコラボケース。ナイロン素材に職人が手縫いしたレザーのパイピングを施した高級感ある仕上がりだ。カラーはネイビー、オレンジ、ブラウン、ピンク、グリーンの5色を用意。Felisiのブランドイメージが強いカラバリで、VAIO P本体のビビッドカラーに比べるとシックな雰囲気に仕上がっている。

 サイズは275(幅)×23(奥行き)×155(高さ)ミリで、内部に少しだけゆとりがあり、本体の出し入れは手軽に行える。もちろん、Lバッテリー装着時でも収納可能だ。きめ細かなナイロン素材は表面が滑らかで、軽快に持ち運べる。クッション性こそ低いが、肉厚のしっかりした作りで、型くずれしにくい。ファスナー部は左右に開くダブルファスナー型で開閉がしやすく、ケース内側は本体を傷つけないよう縫製に配慮がなされているなど、機能性も優れている。なお、このケースはPC本体と同時でないと購入できない。

?Jas M.B.コラボPCケース「CC-JAS/P/C」(直販価格:4万円 ※販売終了)

 District UNITED ARROWSとイギリスのブランドであるJas M.B.が手がけた数量限定のコラボケース。素材はベジタブルタンニングで加工した滑らかなレザー(ベイビー?カーフ)で、ヴィンテージレザーのように柔らかで独特な風合いがある。カラーはブラック1色のみで、カラバリは用意されない。直販価格は4万円と、見た目も中身もゴージャスだ。残念ながら、既に販売終了となっている。

 サイズは300(幅)×30(奥行き)×230(高さ)ミリとVAIO Pに対してかなり大きく、、本体に加えて、付属品なども余裕を持って収納できる。大きめのケースだが、ハンドルやストラップはないので、持ち運ぶ際は小脇に抱えるか、さらに大きなバッグに入れることになる。

 PCケースとしては一風変わったデザインにも注目だ。正面の留め具を外し、フラップを開いた内側には本体とACアダプタを収納でき、前面のファスナー付きポケットにはヘッドフォンやモバイルマウスなどの周辺機器が、背面のファスナー付きポケットにはACアダプタやウォールマウントアダプタ、ディスプレイ/LANアダプタなどがしまえる。ケースのクッション性は低いが、内側には布が張ってあり、しっかりした作りだ。

●PC USER編集部Tのインプレッション

 実際に使い比べてみて、どれが一番買い得かと問われたなら、980円でミニポーチまで付属するナイロンのキャリングポーチ「VGP-CPP1」で決まりだ。しかし、旧VAIO type Pの時代から継続販売されているケースなので、派手なボディカラーのVAIO Pと組み合わせて使うには少々面白みが足りない。カラフルなボディに合わせるなら、耐衝撃性が高いナイロン製キャリングポーチ「VGP-CPP2」の使い勝手がいい。個人的に、パンチング加工のシリコンケースとストラップのセット「VGP-AKP1」はちょっとやり過ぎに感じた。

 予算に余裕があるなら、Felisiとのコラボケースも検討したい。見た目はFelisiの通常のバッグと変わらず、シンプルで使いやすいうえ、クオリティが高い。1万5000円という価格はFelisiのバッグとして考えると、リーズナブルだったりする。ただ、このケースは本体と同時に購入する必要があり、単体販売はされない点に注意してほしい。Felisiのコラボケースは定番のネイビーが個人的におすすめ。

 数量限定のJas M.B.コラボケースは高級感たっぷりだが、さすがに4万円では二の足を踏んでしまう。それでも販売終了となったのには驚いた。

●アパレル店員Sのインプレッション

 まず、ソニーがこんなにバッグをきちんと作っていたことに驚いた。女子の目線では、ボディのカラーが中からちょっとだけ見えるのが楽しい、シリコンケースとストラップのセット(VGP-AKP1)が涼しげで気に入った。ここまでビビッドなカラバリをそろえるなら、マルチカラーなどの柄物も欲しいところ。

 Felisiのコラボケースは、女子からの好感度アップ間違いなし。自分で持つならネイビーかピンクだけど、Felisiのレディースラインにあるボーダーや、明るいカラーリングがあったら、もっとよかった。もう1つのコラボケース(Jas M.B.)は、遠目には黒いセカンドバッグのように見えちゃうかも……。価格のハードルも高ければ、持つほうのハードルも高い上級者向けのアイテムか。キレイめのスタイルにさりげなく合わせてほしい。


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引用元:マスターオブエピック(Master of Epic) 専門サイト

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